
廣田神社は、京の都から西方にある特別な神社で、中世の貴族たちは「西宮」とも呼んでいました。のちに「西宮」の語は、廣田神社の荘園である廣田神郷(神戸市東部~尼崎市西部、有馬、猪名川に及ぶ)全体を指すようになり、近世には末社の南宮や戎社(現 西宮神社)のある浜南宮を中心とした地域(旧西宮町)の地名となり、現在は西宮市の名称へと受け継がれているのです。地元では「西宮のえべっさん」と呼ばれる西宮神社は、日本に約3500社ある蛭子神系のえびす神社の総本社です。毎年1月の十日えびすでは大マグロの奉納や有馬温泉献湯式があり、その本行事に、「開門神事福男選び」があります。
いわゆるお正月の西宮神社の名物でもある「福男選び」は西宮神社周辺の風習がその始まりとされています。1月9日の夜「忌(居)篭り」という家から外出してはならない風習で、この「忌(居)篭り」の間、西宮神社に祀られている恵比寿様(えべっさん)が市中を廻られるからといわれます。神社では十日えびす祭なるものが執り行われ、その祭りが終わると同時に門が開かれるのです。この状態が説かれた後、氏子たちが一斉に家から神社までを駆け抜ける風習がルーツであるといわれているのです。